【続】幼なじみは俺様王子。
「もしかして……?」
あたしが聞き返すと、あーちゃんは意を決したように顔を上げて、口を開く。
「愛、あの小悪魔と一緒なのよ。きっと」
そう言うと、あーちゃんはバックを手に持って、足早に歩き出した。
「あ、ちょっと……あーちゃん!」
あたしも、バックを抱えて急いであーちゃんの後について行く。
「蓁宮神社に行くわよ!」
大通りを早足で歩きながら、あーちゃんは振り返らずに言う。
「……う、うんっ!」
あたしはバックを抱えながら、勢いよく頷いた。
電車とバスを乗り継いでしばらく歩くと、蓁宮の門構えが見えてきた。
「……あっ! 穂香、あーちゃん!」
屋敷の裏口に差し掛かった時、愛チャンの可愛らしい声が聞こえた。
声に聞こえた方に顔を向ける。
そこにいたのは、笑顔であたし達に手を振るあーちゃんと、俯いている蓁宮椿姫サンの姿だった。
な、なんで2人がここにいるの……?
あたしは、頭の上にハテナマークを浮かべる。