【続】幼なじみは俺様王子。
《step☆2》
◆保健室の内緒事
蓁宮椿姫サンが姿を見せなくなってから、一週間が経った。
それからと言うもの、別に何事もなく平和な毎日を過ごしている。
だけど……
「もう少しで修学旅行だねぇ~!」
隣で、最近流行りの歌をハミングしながらルンルンしている愛チャン。
「本当ねぇ。確か、沖縄だっけ?」
あーちゃんは、紅茶を一気に飲み干してから、口を開いた。
2人は、2週間後の修学旅行の話に花を咲かせている。
だけど、あたしはそんな気分になれなかった。
あたしの悩みの種。
それは、愛チャンのこと。
愛チャンがあの時、流したあの涙……。
思い出すたびに、あの時の光景がフラッシュバックされて、裏脳に焼き付いて忘れられない。
あたしはあの時、愛チャンはやっぱり楓が好きなんだと、確信した。
あーちゃんは「そんな気にすることじゃないんじゃない?」って言ってくれたけど……。
やっぱり、気になってしまう。