【続】幼なじみは俺様王子。
学校で楓と会うのは久しぶりで、ドキドキする。
だけど、それと同じ位、罪悪感でいっぱいになった。
あたしは楓の彼女なんだから、堂々としてていいはずなのに……。
愛チャンのあの時の涙を思い出すと、本当のことは言えなかった。
あたしは肩で呼吸しながら、保健室の前まで来ると静かに扉を開いた。
……あれ?
先生、いないんだ……。
人気のない保健室は、カーテンが閉まっていて、少しガランとしている。
あたしは、ドアを静かに閉めて、辺りを見回した。
そう、肝心の彼がいないんですよね……。
もぉおおおおお!
自分から呼び出しておいて、それはないでしょ!
「なんでいないのよぉ……っ!」
あたしがそう吐き捨てて保健室を出ようとした瞬間……
「俺ならここにいるけど?」
聞き慣れた声が聞こえて、勢いよく振り返る。