【続】幼なじみは俺様王子。
落ち込んでいたことなんか忘れちゃうくらい、笑顔になれる。
楓は、魔法使いみたい。
「楓……」
涙目になりながらも、楓を見つめる。
楓が優しく微笑んで、あたしの唇に触れたその時……
「こんな場所で、そうゆうことするの止めてもらえる?」
背後で聞き覚えのある声がした。
「……お前、誰?」
楓が不機嫌オーラ全開であたしの後ろを睨む。
「穂香って、この噂の王子の彼女だったんだね?」
「………えっ?」
眉をひそめながら、ゆっくりと振り返る。
そこにいた人物に、思わず目を見開いた。
そこにいたのは、紛れもなく……
「み、水沢、日向……クン」
爽やかな笑顔を向ける水沢日向クンの姿だった。
「水沢、日向……?」
楓は怪訝そうに眉をひそめながら、水沢日向を見つめる。
「そう。俺、最近この学校に転校してきたの」
ニコッとはにかんで笑う水沢日向は、どこか挑戦的で。