【続】幼なじみは俺様王子。



落ち込んでいたことなんか忘れちゃうくらい、笑顔になれる。


楓は、魔法使いみたい。


「楓……」


涙目になりながらも、楓を見つめる。



楓が優しく微笑んで、あたしの唇に触れたその時……



「こんな場所で、そうゆうことするの止めてもらえる?」



背後で聞き覚えのある声がした。


「……お前、誰?」


楓が不機嫌オーラ全開であたしの後ろを睨む。


「穂香って、この噂の王子の彼女だったんだね?」



「………えっ?」


眉をひそめながら、ゆっくりと振り返る。


そこにいた人物に、思わず目を見開いた。


そこにいたのは、紛れもなく……



「み、水沢、日向……クン」



爽やかな笑顔を向ける水沢日向クンの姿だった。


「水沢、日向……?」


楓は怪訝そうに眉をひそめながら、水沢日向を見つめる。


「そう。俺、最近この学校に転校してきたの」



ニコッとはにかんで笑う水沢日向は、どこか挑戦的で。





< 65 / 324 >

この作品をシェア

pagetop