【続】幼なじみは俺様王子。
でも………
真下を見下ろして、自分の水着姿を見つめる。
「穂香、すっごく可愛いわよ?」
「………うん」
「王子だって、絶対可愛いって言ってくれるわ」
視線を上にずらして、目の前にいたあーちゃんを見る。
あーちゃんは優しく微笑んで、ポンポンとあたしの肩を軽く叩いた。
「あーちゃん……ありがと」
あたしがそう言うと、あーちゃんは微笑みながら頷いた。
「さっ、行きましょ。 きっと男子達、待ってるわよ」
そう言いながら、足早に更衣室を出て行った。
「あっ、あーちゃん待って! 穂香、行こっ?」
愛チャンはツインテールにした、ハチミツ色の長い髪を揺らしながら、あたしの手を引いて更衣室を後にした。
更衣室を出ると、あーちゃんは既に楓達と合流していた。
あたし達に気づいたあーちゃんが、「あっ!」と声を上げて大きく手を振る。
「穂香! 愛! こっちこっち!」
あたしと愛チャンは、あーちゃん達のいる方へと足を早めた。