【続】幼なじみは俺様王子。
結局、あたし達はあーちゃんの提案でメインプールに行くことにした。
真ん中に近づくにつれ、だんだん低くなっていって最終的には水深120センチまで達すらしい。
あたしは、プールサイドに座りながら、片足をポチャンと水につける。
「ちょっと、穂香ぁ! 早くこっちに来なって!」
あたし以外は既に真ん中近くまで行っていて、楽しそうに水をかけ合って遊んでいる。
「そ、そんなこと言われたってぇ………」
まだ幼いころに、プールで溺れた経験があって、それからずっと水泳がトラウマだった。
いわゆる、金槌ってヤツ。
泳ぐ、なんて以ての外で水に浸かることだって少し躊躇する。
水深120センチなんて昔みたいに、また溺れちゃうよぉおおおおお……
「そんな深くないよぉ!大丈夫だって!」
そんなあたしの心情を読み取ったかのように、愛チャンが笑顔で、あたしを手招きしている。