【続】幼なじみは俺様王子。
あたしだけ、プールに入れませんでした、なんてダサ過ぎる……。
それに、別にプールが大嫌いってわけじゃないし……。
あんなに小さな子だって入れるんだから……。
可愛らしい小さな浮き輪で、プカプカと浮かんでいる5才くらいの女の子を見つめながら、そう自分に言い聞かす。
「穂香ぁ! 早く早く!」
あたしは愛チャンの言葉に大きく頷き、意を決して、プールの中に飛び込んだ。
よ、よかったぁ……。
なんとか入れたよぉ……。
あたしは安心して、ホッと一息ついた。
プールの中をゆっくりと歩きながら、みんなのいる所へと足を進める。
「あっ! 穂香! 気をつけて、そっちはっ………」
あーちゃんがビーチボールを持ちながら、あたしに向かって叫んだ。
「……えっ? わぁっ!」
まるで階段のようになっているプールから、あたしは弾みで足を踏み外した。
あたしは瞬間、ギュッと目を閉じた。