【続】幼なじみは俺様王子。
「ねぇ、あそこ。水沢日向じゃない?」
あーちゃんは足を止めて斜め横を指差す。
あたしは「ん?」とあーちゃんの指の先に視線を追った。
「……あ」
あたしは思わず、声を上げてしまった。
プールサイドのすぐそばにあるベンチに体を倒しているのは、確かに水沢日向クンだ。
こんな遠くからじゃよく見えないけれど携帯を耳にあてて、誰かと電話している様に見えた。
「……ふぁ~、お腹いっぱいっ!」
「本当、亜沙子の言ってた通り、このパスタ美味しかったね」
お昼ご飯を食べ終えたあたし達は、絶品パスタの余韻に浸りながら、トークタイムを開始した。
「あーちゃんと瀬川クンの出会いは、どんな感じだったのぉ?」
愛チャンが興味津々で尋ねると、ふたりは顔を赤く染めながら、ボソボソと話始めた。
「きっかけはね、あたしが先生に頼まれたプリントを職員室に貰いに行ったの……」
あーちゃんは瀬川クンの顔をチラチラと見ながら、恥ずかしそうに話している。