【続】幼なじみは俺様王子。
「こんなところに灯台なんて、あったんだ……」
呆気にとられながら、目の前に立っている灯台を見つめた。
ガタン、ガタンッと音をたてながら灯台の中へ入るために鉄の階段をのぼる。
ガチャッと扉を開けたと同時に、あたしは驚いて目を見開いた。
「すごい……」
思わず歎声がもれる。
灯台一面の窓に、映し出される無数の星。
満天の星空のすぐ下にはまるで絵に描いたように幻想的な海が果てしなく続いていた。
こんな綺麗な景色、初めて見た……
「……綺麗だよな」
爽は呆然と窓の外を見つめながら穏やかな口調で呟くように言う。
「今日、プールで遊んでる時に偶々、窓からこの灯台が見えてさ」
「ここから見る夜景は絶対、綺麗なんだろうなぁって思った」
“男のくせに、可笑しいだろ”
そう言って笑った。
「そんなことないよ。全然、可笑しいことなんかじゃない」
「……サンキュ」
そう言って照れ笑いしている爽を見て、可愛いと思った。