僕の日常を探して
「・・・やっぱり、か」

「やっぱり?」

オレが答えられずにいると直葉が
言った
オレはおもわず聞き返した

「ああ。君は、自分のことを
 何一つ覚えていないのだろう?」

図星だった
直葉の言葉どおり、オレは何一つ
覚えていない
名前も、誰かわからない“すずか”
という名の少女に聞いただけだ

「じゃあ、話そう。・・・・・
 君は“記憶喪失”なんだ。
 名前はかくきた きら。漢字は
 ベッドのところに書いてあるよ」

直葉に言われた通り、そこには
『駮來 綺羅』と書かれてあった

「なんでオレは、ケガをしている?
 しかも・・・起きれないし」

オレが聞くと、直葉は小さく息を
ついてから口を開く

「君は自転車で登校中、自動車に
 はねられ、意識不明の重体で
 ここに運ばれた。」

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