髪少女
「切ったほうがよくない?
うちらが切ってあげるよ~♪♪」
そう言って夕菜が用意したものは…鋏(はさみ)。
シャキ…という、鋏を開く不吉な音が響く。
「…ぃや……やめてっ…」
私は声を出すことだけで必死だった。
クラスメートは、みんな見て見ぬふり。
「おいっ…!!
やめろよ!!!」
遠くから蒼が走ってくる音がした。
それもお構いなしに、夕菜は不吉に笑って…こう言った。
「―――――残念でした」
―ジャキッ!!