春夏秋冬
「優にまで我慢…」
綾さんはため息をつき頭を掻く。
「それは悪かったわね。いつきの事は気になってたけど、今回も優がいるから大丈夫だと勝手に思ってた」
それを聞いて優もため息をつく。
「私に頼らないで下さい。桜さんで手一杯なんで」
「そうね、悪かった」
「それと、今回私が来た事いつきには言わないで下さい。余計なお世話って怒られたくないんで」
「分かったわ。送って行く」
言いながら車のキーを出そうとしたので、それを優は止めた。
「送る時間があるならいつきに電話してやって下さい」
「はいはい」
と言っても、いつきももう寝ているだろうな。いや、寂しくて泣いているか。
そんな事を思いながら優は星空の下を歩いた。
< 118 / 148 >

この作品をシェア

pagetop