春夏秋冬


桜さんが海外に旅立つ前日、いつきは優の家のチャイムを押した。
最近優と連絡が取れず、心配になって家まで来たのだが、優が出て来る事はなかった。
「優ちゃん…」
いつも助けてくれて、不安で寂しい時はいつも側にいてくれた。その親友が今、不安で寂しい暗闇の中にいる。
何とか助けてあげたい。こちらが伸ばした手を掴んでほしい。
だが、優が手を伸ばして来る事はなかった。
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