春夏秋冬
桜の木の下には優が眠るように横になっており、その側には睡眠薬と書かれた瓶が落ちていた。
桜はゆっくりと優に近付き、すっかり冷えた体に寄りかかる。
「ごめんなさい…」
それしか出て来なかった。
私は、自分が傷付くのが怖くて優から離れようとした。自分を守る為に犠牲にしてしまった。大切な愛する人を。
優は私にとって光だった。暗闇の中で光を差し込んでくれて、手を伸ばしてくれた。そんな優に私は確かに恋をしていた。優しく、太陽のような温かい優に。
神様、私の事は許してくれなくても構いません。ですから、この光だけは奪わないで下さい。
お願いします。
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