春夏秋冬
ああ、私は期待通り天国に行けたんだ。
真っ白な空間の中で目を覚ました優はそんな事を思った。
桜さんを失った世界で生きて行く自信がなく、睡眠薬を大量に飲んで自殺をした。
自分が自殺をするなんて考えた事はなかったけど、人は生きる意味を失うと案外簡単なものだ。
けど、これでゆっくり眠る事が出来る。
「……?」
天国にしては何か、消毒液の匂いがしないか?
「天国なのか…?」
はっきりと目を開けると確かにそこは真っ白な空間だが、見た事のある場所だった。少し前に見た事がある場所。