春夏秋冬
春夏秋冬
いつもの大学のベンチ。心地好い風が優しく頬を撫でていく。
そんな気持ちいい場所に、これまたいつもの明るく元気ないつきの声。
「優ちゃーん!聞いてー、今週の日曜日綾さんと遊園地に行くんだー。いいでしょー?」
「へー。私は花見だよ」
「えーいいなあ。何で私誘ってくれないのー?」
「デートなんだろうが」
「桜さんと?」
「ああ」
いつもの教会裏のベンチに、一本の桜。私と桜さんの大切な場所。
その時優の携帯が鳴り、画面を見て優の顔に一気に笑顔が広がる。
「もしもし桜さん?」
「良かったね、優ちゃん」
春夏秋冬…この季節を私は何度も何度も、大切な人と過ごしていく。