春夏秋冬
優が桜さんの後ろ姿を見ていると、隣に綾さんが立つ。
「あんたは気にしなくていいわよ」
「桜さん…どうしたんですか?」
「桜は、ちょっと病気なのよ」
「病気?」
「治せる者がいない深い病気…」
「……」
綾さんから聞いた感じからして、桜さんの病気というのは身体的なものではなさそうだった。
もっと厄介な…そう、桜さんの心の中にある何かのような気がした。
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