春夏秋冬
優が桜に手を伸ばし近付いた時、桜は優の頬を思いっきりひっぱたいた。
「……」
何で?
「やめて!来ないで!」
桜さんを守りたい。この気持ちは本物で強いのに、気持ちは桜さんに届かない。自分の気持ちに躍らされ、振り回され、所詮誰かを守る事なんて出来ないのか。
桜さんに出会えた事を感謝したのに。
「いやああああ!」
一目も気にせずパニックを起こす桜さんを止める事が出来ず、そして綾さんが鞄から何かの薬を取り出した。
「桜、飲みなさい!」
綾さんは暴れる桜さんを抑えつけ、無理矢理薬を飲ませた。
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