春夏秋冬


薬が効いて起きない桜さんを車に乗せ、ひとまず一番近い綾さんの家に行く事にした。
綾さんの家は一軒家で、一人暮らしのわりに大きかった。
優達がリビングで待っていると、桜さんを別の部屋に寝かせに行っていた早紀さんが来た。
「桜は?」
コーヒーカップをテーブルに置き綾さんが聞く。早紀さんは座りながら、
「よく寝てる」
やはり薬が効いていたのか。
後で聞いた話だが、あの薬は桜さんがパニックを起こして制御出来なくなった時の為に、桜さんが綾さんに渡していたものらしい。
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