春夏秋冬
「桜は私達に任せて、優といつきは帰りなさい」
「うん…。帰ろ、優ちゃん」
綾さんに言われていつきは帰ろうと立ち上がったが、優は動かなかった。
「優ちゃん?」
優は綾さんの目の前に座り、真正面から見据えた。このまま帰る訳にはいかない。このまま何も知らないままで桜さんを守れるはずがない。
「綾さん、いい加減桜さんの事教えて下さい」
「……」
だが綾さんは何も言わず黙ってコーヒーを飲むだけ。そんな綾さんに優は食いつく。
「綾さん!」
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