春夏秋冬
「いつきは大切な親友なんだから当然だ」
「だから優に頼んだのよ。いつきが一番信頼している友達だから」
「……」
綾さんの言葉は嬉しかったけど、それはいつきだからだ。
例えいつきが信頼してくれても、桜さんは違うかもしれない。
綾さんはコーヒーを一口飲み、息をついた。
「だからと言ってあんたに桜を背負わすつもりはない。あんただってまだ若いし、未来がある。ハッキリ言って桜は重い。あんたが背負って行けるものでもないし、あんたは――」
「綾さん」
優は綾さんの言葉を遮り、綾さんを見つめた。
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