春夏秋冬
桜さんへの想いに気付き、桜さんの全てを受け止め守ると決めた翌日、優はいつきから衝撃的な事を聞いた。
玄関で言いにくそうな顔をしながら、いつきは小さく呟く。
「昨日の夜、綾さんから連絡があって、桜さんはもう優ちゃんに会わないって…」
「何で…」
「分かんない…」
桜さんの過去を聞いてやっと迷っていた決意も固まったのに、何で今になっていきなり…。
訳の分からない優は気付けば外に飛び出していた。
「優ちゃん!」
いつきの呼び声に振り向きもせず、優は走り続ける。
このまま会わないと言われて引き下がる事なんて出来ない。諦められるはずがない。