春夏秋冬
信じていたものに裏切られたような、辛く悲しい顔。優は間違いなく傷付いた。
このまま一緒にいてもきっと傷付けるだけ。それだけはしたくない。
初めて大切な人だと思えた人だから…。
溢れそうな涙に必死に堪えていると、チャイムが鳴った。
「はい?」
インターホンに出ると、息を切らせた優が画面に写っている。
「優…」
「もう会わないってどういう事ですか」
肩を上下に揺らしながら優が言葉を吐き出す。いつきちゃんに聞いて走って来たのか。
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