春夏秋冬
桜さんに呼ばれた場所は、電車で三十分ほど揺られ、さらに駅から二十分ほど歩いた所にある小さな教会だった。
その教会の裏に回ると、一本の大きな桜の木が満開に咲き誇り、その前にベンチに座っている桜さんが優に気付く。
「優…」
久しぶりに会う桜さんは少し元気がなかったけど、でも出会った時と変わらず綺麗で柔らかな雰囲気を放っていて少し緊張する。
優は笑顔を浮かべ、
「お久しぶりです、桜さん。隣、いいですか?」
「ええ…」
そして優は桜さんと少し距離を空けベンチの端に座る。