春夏秋冬
すると、桜さんが沈黙を破るため動いた。
「これ…ありがとう」
そう言った桜さんの左手の小指には光る指輪。
「ああ、いえ…。サイズ大丈夫ですか?」
「ええ。とっても可愛い」
桜さんへの誕生日プレゼントは、色々迷った挙げ句、無難なアクセサリーとなった。
平凡なプレゼントだが、ピンキーリングは幸せになれると店先の看板に書かれていた。
本当かどうか分からないが、辛い過去を送ってきた桜さんだからこそ誰よりも幸せになってほしい。
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