オオカミ少年。
瀬川先生が帰ってきた。

警察の話によると、
赤城くんが男の人を殴ったらしい。

相手はオオゴトにしたくなかったのか、パトロール中の警官が間に入って止めたあとは、静かにいなくなったって。


「あいつ、理由言わないのよ」瀬川先生がご立腹…。


「警官に聞かれても
ずっとダンマリで。
そもそも、受験生が
こんな時間に何やってんの、
…って感じですよね。

…まったく。
補導なんてされちゃって…。

前の万引きの件もあるし、
かなりマズいですよね…
処分については
明日の会議で、ですかね?」

「こりゃあ…進学にも影響するかもしれませんね…」
「そんなの、自業自得ですよ」

とりあえず、
処分が決まるまでは自宅待機ってことになるみたい。

つまりまぁ…
既に停学、なのかな?


先生方のやりとりを聞きつつ、
あたしの頭の中は
「彼」でいっぱいだった…


(赤城くん、
どうしちゃったんだろ…?

大丈夫かなぁ…??)


会いたい…

声が聞きたい…
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