オオカミ少年。
一体どれくらいの時間、
そうしていたんだろう…

長かったのか短かったのか
全然わからない。



ただ。

赤城くんの
鼓動が、
呼吸が、
体温が、
伝わってくる…


あたしはそれを
とても心地良いと思ってた。



「ご、ごめん」

赤城くんが離れる。

「嬉しくてつい…」
「嬉しい?」
「…信じてくれたから」
「?」
「俺のこと、
ちゃんと見てくれてありがとう」


赤城くんが
あたしの目を見て優しく笑う。


あたしは
胸が締め付けられて、
赤城くんから目をそらした。
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