俺のワケアリ彼女



戻ろうと頭をあげた。




その先に、誰かが浜辺に座りこんでる。




「・・・・」




少しずつ近づく。




近づくにつれて柔らかそうな黒い髪が見えてきた。




・・・・涼。




涼は海のほうを向いて座り込んでいる。




「・・・・」




ざっと砂を蹴る音がしたら涼が俺のほうを向いた。




「・・・ぃっ・・・ちゃん・・・」




泣き腫らしたような目で俺を見る。




俺を見たら、涼は逃げる。




「涼、待てって!」




涼は俺の話しも聞かないで走り回る。




ずべっ!!




涼が派手に転んだ。




プルプルと涼は転んだまま動かない。




コロコロと涼の手の中から何か出てきた。



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