俺のワケアリ彼女
あ、涼の奴・・・まだ心配してんのか?
俺は涼の頭を優しくなでる。
「ふゅ・・・」
涼は変な声を出すと、俺を見た。
「何まだ気にかけてんだよ、涼」
「・・・・・」
涼は口をむぅと尖んがらせて黙りこんだ。
「俺があいつ好きになることないから、絶対」
そう。
俺は絶対好きにならない。
昔のことが頭をかすめた。
「・・・で、涼どこ行きたい?」
「・・・・楽しいところ・・・」
楽しいところ・・・・。
「遊園地?」
「・・・行きたい・・・」
俺は涼の手を繋いで歩きだす。
涼も遠慮ぎみに手を握りかえす。