俺のワケアリ彼女



資料室に入った。




「涼、俺、夏服着てこいって言ったよなー??」




涼は頷く。




わかってんなら、着てこい!!




顎をクイッっと持ち上げる。




「なんで着てこない?」




「ひゃっ!」




涼はびっくりしたのか、椅子から落ちた。




部屋の隅に涼は逃げる。




「おい、大袈裟だろ?」




俺が近づくと、涼は呟く。




「ご、めんなさい・・・」




「はい、はい、謝るのはわかったから、夏服はなんで着てこなかった?」




涼の手を引きながら聞く。




黙ったままの涼。




なんで言わないんだ?




「・・・涼、俺に教えて・・・?」




優しく言ってみた。



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