俺のワケアリ彼女
涼とギスギスしたまま週末になってしまった。
あの日以来、一緒に寝てもいないし、話しだってまともにしてない。
普通に学校に行って、普通に過ごした。
涼はシュンと落ち込んでいるようだった。
涼の住むマンションは紅と同じ。
階は違うけど、俺が頼んでそうしてもらった。
俺が夜帰ると、もう涼はいなくなってた。
涼の道具が全部ない。
玄関を開けてもヒンヤリとしているだけ。
涼がいないことが嫌だった。
涼がいないことがこんなに大きくなってた。
「・・・触りてぇ・・・」
玄関に座り込む。
あの柔らかい髪も肌も今日からは一緒じゃないんだ。