走り出す、恋。





「うそでしょ!?」





計算どおりに走ったわたしを、裏切って発車してしまった電車。



切れる息を飲み込みながら
呆然と、過ぎていった電車の風のにおいを深く吸った。






おばあちゃんから貰った腕時計を見ると、長針が行ったり来たりしていた。





7時23分…


7時24分…



そしてまた、7時23分。





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