走り出す、恋。





わたしはため息をついて、ホームにしゃがんだ。




次の電車では遅刻してしまう。


こんなこと、初めてだった。






「もう…。おんぼろ時計のせいよ!」



左手首から腕時計を外し
朝とは言えど、夏の日差しで熱くなったコンクリートにわたしはそれを投げつけた。




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