ちよこれいと





「あたしのじゃない。」



パッと目を逸らして、

空に目線を泳がす。



「じゃあ、コレ、どー説明すんの?」



それまで爽快に走っていた自転車が、ブレーキ音と共に止まり、

いきなりのことで対応できなかったあたしの額が、トンッと奏悟の背中にぶつかった。



「────あ。」



睨むように目線を上げれば、

ちょいと頬を染めた奏悟と

その手に握られた一枚の紙。





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