短くても
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夏の夕方
バイクで海に行った
よくありがちなことを
2人して笑ながら
楽しんだ。
時間の流れが遅く感じて
世界が急に2人だけになったみたいで
やがて水彩絵の具で塗ったような
柔らかな黒が空に広がりはじめた
相変わらず静かな世界だった
「朔人」
─懐かしい真依の声
「どうしたの?」
「ねえ、私の世界って、なんだと思う?」
「真依の世界?…真依の世界は..何だろうね?」
「私が聞いてるのに、聞き返しちゃだめでしょ笑」
「ごめんごめん
…真依の世界かぁ〜。何だろうね
僕に教えてくれるの?」
「仕方ないからさっ!特別v教えてあげようっ」
得意気に笑う真依が可愛くて笑ったら
ちょっと拗ねたみたいに口とがらせて
「私の世界は朔人」
短くいい放った。
いたずらに笑いながら
「朔人の世界は?」
「ん?」
「朔人の世界はなに?」