好きです高田君
晴生が寝たあともなかなか寝られなかった。
このまま泣いたら晴生に迷惑だと思って私は、一人で展望台に向かった。展望台には、誰もいなかった。
一人になるとこらえていた涙がいっきにあふれてきた。
「やっぱり泣いてるのか」
振り返ると俊平が立っていた。
「なんでここがわかったの」
「小さい頃から愛理は、人のいない景色の綺麗なところでなくだろ」
「そうだったね。なんであんな事いったんだろう。あんな事言うつもりなかったのに。自分でもわかんないよ」
「瑛司も同じ事言ってたぜ」
「なんで瑛司は、間違った事言ってなかったのに」
「あいつもっと違う言い方があったんじゃないかって言ってた明日のハイキングは、話さないつもりなのか」
「分かんない。でも今話すとケンカになっちゃうから」
「そっか。やっぱ俺なんかじゃ頼りにならないか」
「なんでそんなことないよ」
「愛理笑ってない」
「えっ」
「自分では、笑ってるつもりかも知れないけど全然笑ってない。俺の前だけでも自分の気持ちに素直になれよ。愛理は、無理しすぎだ」
「そんなこと言ったらいつもないてるよ」
「それでいいんだよ。自分の気持ちに素直でいればそれでいいんだ。だから自分の気持ちに嘘は、つくな。」
「ありがとう俊平だけだよ。こうやって私が辛い時にそばにいてくれたり、自分の事みたいに考えてくれるのは」
「俺なんかでよかったらいつでも呼べよ」
「昔からヒーローみたいだよね俊平は…」
「そうか特別だよ愛理は…。そんなに瑛司がいいのかこんな辛い思いをしても愛理は瑛司が好きなのか俺だったら好きな女ぜってぇ泣かせねぇのに…」
「私も分かんない。なんでこんな辛い思いをしてまで瑛司の事が好きなんて。おかしいと思う」
「じゃあなんで」
「それでも瑛司の事が好きなの。どんなに辛い思いをしても瑛司と話したり、ふざけあったりしてたらそんな思い忘れちゃうの。瑛司の事がすきだから。嫌なことがたくさんあったとしても、少しで瑛司といいことがあったら忘れちゃうの」