ストリート
それを見た時、この猫もひとりだったのかも知れない…
そう思ったんだ。
どこか私と似たような所があると、思った。
それからこの猫と、昼休みを共に過ごすようになった。
ぼーっとしながらただ猫の頭を撫でていると、時間が過ぎるのが早いと感じる。
それは学校にいる私の唯一の時間だからだ。
時間と感じる事のできる時間だからーーー…
チャイムが鳴り、本鈴にあわせて教室に戻ると丁度教室の前で担任と鉢合わせになった。
すると担任は
「桜里。」
と私の名字を言って来て、
「ちょっと進路室に来い。」
と言われたので、無言で担任の後をついて行った。
ドアの横に『進路室』と書いてあり、音を立ててドアを開けた担任は教室に入る。私もそれに続いた。