森奥の水郷
また眠気に誘われそうになって、たまらずリュックサックに身体を預けてしまいそうになる。
しかし次の瞬間、ガンッと固いものに当たる鈍い音がして、私は暫く頭を抱えて涙を堪える羽目になった。
何が起きたか説明すると……リュックの中に入れてある道具の1つに、私が頭をぶつけた、と言うものだ。
至極単純な理由ではあるが、なかなかどうして…かなり痛い。
(タンコブくらいは出来てるよな…確実に。)
涙が滲む視界で、運転手の人とバッチリ目が合ってしまった。
哀れむような、呆れたような目線と。
(……あぁ、もう色んな意味で痛いよ…)
笑って誤魔化す事すら出来ず、暫く車内で1人痛みに悶えていたのだった。