森奥の水郷


「それで、ご両親は何時説得すればいいの?」


「今日はもう無理ね。
明日話し合いの時間を調節してもらうから、明後日くらいかしら?」


彼女の両親について詳しくは知らないけど、この集落で忙しい立場と言うのだけは知っている。

初めてこの場所に来たとき、民宿があるかと探していた私を快く家に上げてくれた。

その時に彼女に出会って、ご両親方とは二言三言しか言葉を交わせなかったのを覚えてる。


「相変わらず忙しいんだね…」


「いつもの事よ。」


子供は子供で冷めているし、この家はこれで回っているのだろう。


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