キミがいたから~Thank you~
――昼休み――
「はぁ…」
ため息をつきながら屋上への階段をのぼる。
――ギィ…
古びた扉の音…。
祐哉とたくさん話したときもこんなおとしたっけ…。
「眞凛!!」
「ゆ、祐哉!!話って…?」
眞凛の言葉の後に祐哉の顔が赤く染まった。
「え、と」
「?」
え、なに?眞凛に告白?
まさかね、ありえるわけないよ…。
何期待してんだろ…、バカだな…眞凛…。
「ま、眞凛のことが好きです、付き合ってください///」
「えっ?」
「だーかーら!!」
「聞こえてたっ!!」
「え?」
「祐哉の言ったこと聞き取れた」
「っ////」
祐哉の顔はりんごみたいに真っ赤になってる。
ん?え、ちょっとまって…
祐哉の好きな人は…眞凛ってこと?
え――――――――!?
ちょ、ちょっとまって!!
え、眞凛は祐哉がすき、祐哉は眞凛がすき…
ってことは…

――両思い?

「へ、返事は後でいいからっ!!」
「ちょっと待って!!」
走って逃げようとする祐哉をとめる
「え?」
「…今、返事言っていい?」
「…う、うん」
やばい、心臓が破裂しそう…
小説読んだときとか、絶対ないって夢のないことを言ってたけど…
本当だったんだ…
前の彼氏のときは、そんな事なかった…
でも、祐哉のときは…
「眞凛も、祐哉のこと、大好きですっ」
「え?」
「…もう言わない!!////」
「…聞こえてた」
顔が熱くなる眞凛。
笑顔で言う祐哉。
「て、ことは…付き合うってこと?」
「うん、今日からね?」
うれしすぎて確認してしまった。
眞凛は勝手に思い込んでいた。
恵莉茄と付き合うことになったとか…
とっても幸せに過ぎていった春、夏は…これから起こる、秋~冬に、あんなことが起こるなんて、思ってもいなかった…
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