キミがいたから~Thank you~
「うわー、さすが田舎だね、田んぼだらけ…」
今日の眞凛の服はねずみ色の生地に青でマリンの刺繍がしてある長袖服に、緑と白のボーダーのパーカー、薄い水色のダメージジーンズの短パン。
10月といってもやっぱり肌寒い。
稲もたくさん生えていた。
「あれ…?見かけん顔…じゃけど…」
「え?」
急に声をかけられた。
「え、誰?どっから来たん?」
「え、えと、ここよりももっと都会…」
「ほぇー…たくさん店があるん?」
なんか、めっちゃ質問攻めされる中その質問に答えてゆく
「つ、つか、名前は?」
「あ、ごめんごめん、彩の名前は、井上彩。彩でいいけんね」
あ、彩…
「そっちは?」
「重岡眞凛です。」
「かわいー名前じゃね」
彩は、優しく微笑む
彩かぁー…
「あ、いろんな人に紹介したいんじゃけど…いい?」
「え、あ、うん」
「よし、じゃあいこーっ!!」

「留華ぁ~!!」
「なにー?」
「ちょっと出てきてー!!」
「ちょっと待ってー!!」
文字に書くと、標準語と同じように思うかもしれないけど、
実際に聞くと、なまってる。
「出たけど、なにぃ~?うぉ!!」
「ふふふー、可愛すぎてびっくりしたじゃろ?」
「う、うん、誰なん?それ」
「し、重岡眞凛です!!」
なんか、大人っぽい…年上かな…?
「あ、崗里留華(おかざとるか)ですっ、呼びタメおっけーじゃけんねーっ」
「あ、うん。」
先輩なのに、呼びタメでいいって・・・。
「あ、じゃあ、中学校はこっち?」
「あー、うん。そうだよー」
「同じクラスだといーねっ」
「ばか、2年生一クラスしかないじゃん!!」
「あ、そっか」
ここの学校、上下関係ないのかな?
――ウーーーーーーーーーーーーーー
低い音のサイレンがなった。
「え、なに?火事?」
「ちがうよー、今5時くらいじゃない?」
「え、もう!?」
「うん、もうかえりなさいよー的なサイレンじゃけん
 道、分かるん?」
「あー、うん、大丈夫っ」
「じゃーねー、ばいばーいっ」
家に帰って早速友達ができたことを澪凛に言った。
澪凛も笑顔で聞いてくれた。
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