キミがいたから~Thank you~
…断るのってこんなに緊張するもんなんだ…。
さっきから心臓が…そして、B組の教室の前でずーっと立ち止まってる。
「…眞凛?」
「!!る、留華ぁ~…」
びくっと体がはねた。
「え?そんなビックリされても…」
「あ、ごめんごめん!!」
「で、どうしたん?」
「…葵に用事があって…」
「…葵?ちょっと待っとってね」
にこっと微笑んで葵を呼びに言った。

――バクバクバクバク

緊張するのは眞凛じゃない!葵のほうなの!!
「…眞凛…返事?」
「…う、うん」
「…どーぞ」
「…ごめんね、眞凛にはやっぱり祐哉がいるし…ごめんなさい…」
「…眞凛の気持ち聞けてよかった」
「うん、ごめんね?」
「なんで謝るん?なんも悪いことしてないじゃろ?」
…してるっちゃあ、してるんだよ、花に…。
「あ、あとね!…視聴覚室の前に来てくれるかな?」
「え?あ、分かった。」
「よろしくね?」
うあー!!!花…あとは任せた…。
もう、眞凛の役目は済んだんだ…。

こうして、花を視聴覚室の前に連れて行かせた。
< 36 / 38 >

この作品をシェア

pagetop