もしも願いが叶うなら
(・・・あれ?)


いつもは廊下から顔を出してあいさつしてくるはずの隼人が今日は見当たらない。


クラスが違う隼人。


たくさん喋るわけでもないけど、朝や廊下ですれ違うときは挨拶程度の会話なら毎日している。


唯一同じ中学校からきた同級生だから。



「どしたのー?」


きょとんとしている私に佳奈が心配そうにたずねてきた。


「いや・・・。なんでもない。」


「あぁもしかして隼人君?女子にでもつかまってんじゃないの?」


モテる隼人は学校でもちょっとした有名人。


こうして顔を出さないことがあるのもめずらしいことじゃない。


隼人は高校生になってから一段とかっこよくなった。



整った顔立ち

無造作に立てられた茶色い髪の毛













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