考えちゅ


「な、なんで、津山が、俺を」


はっ。


昨日の記憶がよみがえる……!





ヒイー!俺はついに女子にボコられるのか。


い、いやいや、でも俺のが強いし男だし、びびってねーし。


ひきつる頬。


だ、だけど、何かの間違いだと期待したい。


「ねぇ、早く来てくれない? 坂本陸」


間違いじゃありませんでした。


「………………はい」


あれ、敬語になっちゃった。


クラス中の視線をあびながら、しぶしぶしぶしぶ津山の所にいった。


……遠くから見てた印象とは違い、近くで見ると、すごく綺麗だった。


肩まである、柔らかそうなストレートの黒髪。


前髪には水色と白のピン止めをつけていて。


Loveとかかれた黒と水色のラフなTシャツは、せくしーな印象を与える。


スカートも短いし。


くりくりとした目、細い腕、足、腰。


ピンク色の唇。


……う。


みんなが美しいって言うのが、分かる。


< 10 / 22 >

この作品をシェア

pagetop