星のキミと恋をした
ナンパ


「晩ご飯いらないから~」

あたしはお母さんに夜の予定を言うと家を出て電車に乗った


駅をプラプラ歩き

街をプラプラ歩き


そんなあたしに


「ねぇ、ちょっと待って」

と背後から声を掛けられた


前日に彼氏と喧嘩をして別れたばかりのあたしは


ナンパなんて正直

面倒な時間


でも、振り返ったら


あたしに笑顔を振りまき

ドキッとした


爽やかなオーラを感じた人はナンパじゃないのかもって思った


短すぎない茶色の髪は
少し踊っている


どこか少年っぽい彼の

シャープな顎には髭


二重で少したれ気味の目からは

優しい印象


何か落とし物でもしたのかと思った


けど…彼から聞いた言葉は


「これからどこ行くの?」

だった


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