僕等の透明な夏

姫乃はどこかへ走って行った。

『姫乃!』

それをあたしは追いかけた。


姫乃は家の裏側にうずくまっていた。

『…姫乃』

「お母さんだってお父さんだってお姉ちゃんのことばっかり褒めて…あたしのことなんて見てくれなかったもん!」

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