僕等の透明な夏

―布団の中に潜っていると、姫乃が部屋に入ってきた。

なんか気まずい…。

寝たフリしよう。

「お姉ちゃん…」

『……』

「寝たフリしてるの分かるんだからね」


『……なに?』


「勇介君のこと…好きなの?」

ベッドの下から姫乃の不安げな声がする。

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