【花集】あの花火が遠くに見える
「はぁ!?」
僕は島野が言ったセリフの意味が、よく理解出来なかった。
「お前、それって……」
「何でもない! 何でもないの!!」
島野は自分の表情を隠す様に、洗濯機へ走っていった。
「早く行こう! 先輩たち、待ってるよ!!」
「あ……。あ、ああ」
僕達はヒーローたちの衣装を洗濯機から引っ張りだし、カゴに詰めた。
そして二人は下宿へと戻った。
その間、一言も会話を交わさぬまま……。