ボクは誰？

カミングアウト

でも、

話すチャンスって、

今なのかもしれない。

でも話したら、

お母さんはショックで泣くかも。


「お母さん。」


「ん？なーに？」


「あのさ、すっごく話しづらいんだけど、悩みを聞いてくれる？」


「いいわよ。」


言ってはみたものの、

なかなか勇気が出ない。

お母さんを悲しませてしまうかもしれない。

そう思うと、

なかなか言葉が出なかった。


「有希。私はお母さんでもあるし、人生の先輩でもあるのよ。お父さんに話しづらいことも、お母さんには話せるでしょ？」


「うん…。」


お母さんは、

ボクの手を握りしめながら、

ボクをまっすぐ見つめてくれた。