ボクは誰?
握ってくれたお母さんの手は、

すごく温かくて、

何だか安心することができた。


「ボク、お母さんを悲しませてしまうかもしれない。」


つい、

『ボク』って言ってしまった。

いつもなら注意するお母さん。

でも今夜は、

注意しないでいてくれた。


「大丈夫よ。お母さんは有希の味方だから。話して。」


お母さんの言葉に促されて、

ボクはとうとう、



ずっと隠していた気持ちを、

話す勇気が湧いてきた。




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